いきなりキリンを食べる

本来のスケジュールからどれだけ遅れているのかもはや何もわからなくなってナイロビのジョモ・ケニヤッタ空港へ到着。空港施設から出るとさすがに暑い。しかし、空気が乾いているので意外に気持ちよい暑さである。

出迎えの人がたくさんいるが、どの顔も真っ黒だなぁと思っていると、我々が着けているツアーバッジを目ざとく見つけて、ガイドさんがニコニコと人なつこい笑顔を向けながら近づいて来てくれた。

「お疲れ様でしたね。飛行機遅れて大変だったでしょ。」

きれいな日本語である。ガイドのジョージさんは26歳で日本語の勉強は1年程度だそうだが、どうしてこんなにうまく日本語が使えるのだろう。やはり日本の英語教育は間違っているかもしれない。

聞くと3時間程の遅れでケニアに着いたらしい。にわかには信じがたいが、ケニア着に影響するのはインドからの遅れだけなので、成る程そんなものかもしれない。しかし、体感では丸一日遅れているように感じる。

ホテルへのチェックインを後回しにして夕食に行くことになった。ケニアの名物レストランで、観光客は皆立ち寄るらしい。そう言われれば空腹なのを思い出した。

レストランへの道々説明してくれたところでは、どうやらシマウマやらキリンやらワニやらを食べさせて くれるらしい。

「そんな動物達を食べてもいいんですか。」

と聞くと,

「食肉用です」

との答えが返ってきた。釈然としない思いがあったが、空腹が全てを納得させた。私はそんな奴なのである。

料理は長い串に焼かれた肉の固まりが刺さっていて、各人の皿に切り分けてくれるスタイルで、要するにシュラスコである。

それぞれの動物の肉を持った店員さんがうろうろしているので、呼び止めて切り分けてもらうのだが、誰がどの肉を持っているのか覚えられず(すみません、バカなんです)キリンだと思って呼ぶと牛だったりして、最後の方は、自分が今何を食べているのか全然把握していないままひたすら食う、という恥ずかしいことになってしまった。

ここで美味しかった動物ベスト3をと思ったが、やめておこう。私も人から好かれたいという気持ちは今のところ人並みに持っているのだ。

満腹になるとインターコンチネンタルにチェックイン。この日はウガンダの大統領が宿泊しているそうで、SPの兄ちゃん達がうろうろしていた。皆かっこいいぞ。

アフリカ第一夜はポーターのお兄ちゃんが買ってきてくれた生ぬるいミネラルウォーターを飲んで死んだように眠る。さあ、いよいよ明日からアフリカ本番である。

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