そしてポレポレの旅が終わった

シンガポールへ到着した。しかし、インド人が乗った飛行機は、どうしてこうも凄まじいことになるのだろうか。ナイロビ〜ボンベイ便もそうだったが、とにかく無茶苦茶汚れるのだ。ありとあらゆるものが機内に散乱している。まるで夏休みまんが祭りを上映している映画館の床のようである。エア・インディアが遅れるのは、この機内清掃のためではないだろうか。いや、真面目な話。

ここでのトランジットは約7時間。しかし、シンガポールのチャンギ空港はでかくて奇麗である。そしてトランジット・ホテルという、とても便利なものが空港内にあるのだ。勿論部屋をとった。これで少なくとも難民ではなくなる。

しかし、なんとあとは満室で、新婚ご夫婦は部屋がとれなかった。ご本人達は大丈夫です、と言っているが、もういいかげん疲れている筈である。そこで先に私と妻が3時間使用し、残りの3時間を使ってもらうことに無理矢理決めてしまった。

シャワーを浴び、2時間程仮眠の後新婚ご夫婦と交代。私と妻はショッピングに出かけた。実はナイロビのインターコンチネンタルホテルに、私のジャケットと妻のジャンバーを忘れてきてしまったのだ。妻はまだ良いが、私のジャケットはないと困る。ケニアは暑いが、日本は1月だ。ジャケットをあてにして防寒の用意はしていない。仕方なく、ここで何か買い求めることとなったのである。

結局、私の知らないアメリカ大リーグのチーム名が入った上着を買う。結局これが、今回の旅行で一番高い買い物になってしまった。

やがて時間となり、搭乗口へ。JALというのがなんといってもうれしい。乗り込むといつもの癖でずんずんと奥へ向かう。しかしどこにも席がない。??となってもう一度シートNo.を見ると、なんと、ビジネスシートではないか。自慢じゃないが、自腹でエコノミー以外に乗ったことは一度もない。まあ、このときも自腹ではないが。

一同、大喜びである。はしゃいで写真を撮ったり、そりゃもう、大騒ぎ。回りの方々は怪訝そうに見ていたが、我々の今までの苦労をご存じないから無理もない。苦あれば楽ありとはこのことか、と広いシートにゆったりと腰を掛け、日本酒を飲んだ。ただ、残念なことに、食事はエコノミー用であった。JALのけち。

約7時間のフライトでやっと、やっと日本に着いた。ながーい帰り道であった。ここからは、成田エクスプレスに空席があってすぐに乗ることができ、順調に家まで辿り着く。すぐさま風呂に入り、ビールを飲んで寝ることにする。本当は明日も休みの筈だったのだが、仕事になってしまった。早いところ体調を戻さなくてはうまい酒も飲めやしない。ベッドに入ったらあっという間に眠りについて、翌朝まで目が覚めなかった・・・


・・・思えばなが〜い旅だったような、あっという間のアフリカだったような、なんとも奇妙な旅であった。しかし、また同じ行程を経なければいけない、と言われても私はまたアフリカへ行くだろう。それほどにアフリカは魅力的である。インドに寄ったときは、「次はインドだ」と言っていたが、今はもう、アフリカ以外の国に行く気はしない。

ナイロビに忘れた私のジャケットと、妻のジャンバーを取りに戻らねばならないのだから。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

あなたはえらい!素晴らしい忍耐力です。

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また、この旅行で撮った野生動物の写真は「ケニア野生動物写真館」で公開しています。

お時間のある方は、どうぞ、そちらもご覧ください。

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