4.読まない方がいいです

その昔、スコットランドにとんでもない一家がいた。14世紀中頃、ソーニー・ビーンとその妻が地道に働くことに嫌気がさし、海岸にある洞窟へ住み着いたことから全てが始まった。彼らは25年間、町へも出ず、洞窟で暮らした。

その間、近親相姦によって8人の息子、6人の娘、32人の孫を抱える大家族となった。勿論、全員が働くことが嫌いだったため、もっぱら旅人を襲う、山賊を生業として生計を立てていた。

といっても、町へ出ないのだから金を手に入れても食料は買えない。では、どうしていたかというと、なんとこの家族、襲った旅人を食料としていたのだ。食べきれない手足などが余ると海水に浸し、塩漬けにして保存もしていた。それでも余ると無頓着に海中に投げ捨てたりしたので、海流に乗って流れ着いた地方では大騒ぎになることもあった。

この地方を旅する者が、頻繁に行方不明になるので様々な噂が飛び交ったが、狙われて助かった者がいなかったため、この一家の存在は誰にも知られず、住まいの洞窟も発見されなかった。おかげで疑わしいと思われた人物は、充分な証拠もないまま皆、首をはねられたが、もちろん襲われる旅人は全く減らなかった。

しかし、ある日彼らはついに一人の男を取り逃がした。夫婦連れを襲ったときだ。妻の方は敢えなくとりことなり、首を掻き切られ血をすすられ、はらわたは引きずり出され殺されたが、夫は馬に乗って命からがら逃げ出した。

さっそく夫は役所に届け出、知らせを聞いた王は400人の兵士と犬を派遣した。この犬が今まで誰にも見つからなかった一家の洞窟を発見した。兵士達が中へ入って見ると、そこには人間の生肉や塩漬けの手足が吊り下げられていた。山賊一家はやっと御用となった。

この一家、男達は手足を断ち切られ、出血多量で死ぬまで放置された。女達はその男達が死ぬまでそれを見せられ、その後生きたまま火あぶりの刑となった。

なんとも胸くそ悪い話である。すまん。

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