ダラスでぼられかけ

カンクン最後の日となった。早朝4時30分にフロントへ行き、チェックアウト。しかし、伝票を見ると、食べた覚えのない朝食がしっかりと請求されている。そもそもこのツアーは朝食付きなので、食べようが食べまいが請求される筈はないのだが、さすがバカ旅の面目躍如というところか。ここで色々やるのは面倒くさいし、旅の最後で嫌な思いをすることもあるまいと、日本に帰ってから取り戻すことに素早く決定して素直に支払う。

5時にホテルへ例の係員が迎えに来る手はずであったが、やっぱり現れない。我々は、もはや怒ることもなく、勝手にタクシーで空港へ向かった。カンクンからダラスへ戻り一泊、翌日成田へ、という行程だ。

定刻どおり飛行機は飛び立ち、定刻どおりダラスへ到着。ここからは自力でホテルへ向かうことになる。旅行会社の方から、ホテルは空港のすぐとなりです、と言われていたが、誰に聞いても、そんなホテルは知らんとのお答え。

仕方なしにタクシーの運ちゃんに尋ねると、ここから約8km程だと言われる。8kmだとお。どこが空港の隣なんじゃい、と切れかけたが、フォートワース空港は世界最大の空港だということを思いだした。そうです、8km離れていても空港の敷地からはすぐ隣なのです。

その運ちゃんのタクシーでホテルへ向かうことにしたが、あろうことかこの運ちゃん、20ドルだとぬかしやがった。ふざけるな、メーターしか払わないぞこの野郎、と強気の応戦でこの運ちゃんあっさりと折れ、無事に車中の人となる。まったくボヤボヤしてるとすぐカモにされてしまう。その後も遠回りされないだろうか、と疑心暗鬼の人となり走行時間をチェック。どうやら適正ルートでホテルへ到着したようだ。余計な気を使わせやがって。

無事チェックインしたが、そこはどうやらモーターホテルのようであった。施設内にレストランもなく、ルームサービスもない。部屋は綺麗で広いが、飯の心配をしなければいけなくなった。荷物を整理して外へ出てみる。見える看板は「デニーズ」「マクドナルド」「セブンイレブン」だけである。

時刻は午後1時。腹も減ったのでとりあえずマクドナルドへ向かった。道路は車の往来が激しいが、歩いている奴なんて一人もいない。本当に一人もいない。まったくいない。我々だけである。とぼとぼと歩くこと5分でマクドナルド到着。モソモソとハンバーガーを食べ、コーラを飲んで昼食終了。

次はセブンイレブンでお買い物。ミネラルウォーターとダラスの地図、怪しげな菓子類を買って部屋へ戻った。結局歩いている人には出会わなかった。ちゃんと歩道はあるんだけど。

夕食は当然のごとくデニーズ。人のよさそうなおばさんが出迎えてくれた。適当に注文して適当に食べてきちんと金を払う。味はともかく、量にまいった。日本が戦争に負ける訳だなぁ。

部屋に戻り、ウイスキーを飲みながらロボコップ2を見る。この映画、言葉が解らなくてもちゃんと楽しめる。夫婦ででたらめアテレコ大会を開催するが、そのうち眠ってしまった。ダラスの夜は、そんなことにはなんの関係もなく更けていくのであった。

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